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「江戸東京野菜」を味わう

2020-02-28

「江戸東京野菜」という名称の野菜をご存じだろうか? 江戸時代から昭和40年代頃まで、東京やその近郊で栽培されてきた野菜のことを指して言う。農家さんが減少している今日では絶滅品種となっている野菜もある。そんな品種を保存しておこうという志で農業にチャレンジしている人がいる。江戸東京野菜生産者の福島秀史さんもそのひとりだ。

「まずは種を蒔き、その出来た野菜を食べ、そこから種をとり、また来年蒔くというように、種を通して命を繋いできた伝統的な野菜です。」と福島さんは言う。種を蒔いて保存してゆくという持続可能な農業といってもいいだろう。

こうして出来た野菜のことを”固定種”という呼び方をしているが”ロティスリー桂樹庵” でも江戸東京野菜の味の深みや美しいフォルムに魅かれて、是非フランス料理として使わせていただきたいと相談したところ快く送ってくださることになった。八王子の「高倉ダイコン」や「大蔵ダイコン」「辛味亀戸大根」「金町小カブ」また長崎産の「黒田五寸人参」や、地元の湯河原産ブロッコリーで真鯛のポワレ、エストラゴンをたっぷり使った白ワインソースでサービスした。お客様からも大好評をいただきました。