パリのエスプリ漂う「キュイジーヌ・ブルジョワーズ」
―――フランスの家庭料理を和の食材で提供―――
ここはフランス人たちが毎日普通に食べている”フランスの家庭料理” のお店です。私たちは100%メイド・イン・ジャパンにこだわり、和の食材でどこまで本格的なフレンチが作れるか挑戦します。
食材は野菜も魚も出来る限り地元で採れた新鮮なものを使おうと、オーナーのマダム・ケイコが生産者をひとりひとり訪ね、納得したものだけを使っています。自慢のワインは有機栽培のブドウで作られたフランス産ビオワイン(ワインだけはフランス産にこだわっています! )を吟味して揃えています。言い換えればカジュアルだけれど本物を求めようとしているのです。
湯河原の奥まった、ちょっと高台にある閑静な住宅街。昔から「理想郷」と呼ばれるこの地域に建てられた古い日本家屋。1987年に私の両親が別荘として建てた家です。しかし別荘であるがゆえに地元の人たちとの交流はほとんどなく、ちょっと持て余した存在でもありました。そんな家に世界中から人々が集まり、地元の人たちと語らい、情報交換ができたらどんなにステキなことだろう!
そんな思いを込めて『ロティスリー 桂樹庵』をオープンしました。
豊かな緑のなかで、昼は小鳥のさえずりを聞きながら、夜は木立の合間から吹く心地よい風を肌で感じながら、ひとりひとりが大皿や大鍋からシェアし、楽しく食べられるスタイル。そして今を生きる歓びを共有することが私たちの願いです。
店主 南谷桂子
東京都生まれ。1974年、はじめてヨーロッパへ、以来40年間以上をフランスで過ごす。取材で知り合った多くのシェフとの出会いをきっかけに『高級フランス料理』の世界に魅了され続けてきた。それ以来、取材一筋で今日に至る。料理人の哲学を描いた『21世紀のシェフたち』、続いて庶民的な食堂”ビストロ”のシェフ達の成功をつづった『パリのビストロ職人』はいずれもベストセラー。人生最後の冒険として長年の夢だった飲食店『ロティスリー桂樹庵』を2017年10月1日、神奈川県湯河原にオープン。地域コミュニティーの再生による地元経済の活性化を目指している。
パリの1つ星、フレデリック・シモナンからのメッセージ
『"オードヴル・メイン・デザート"
そんなフランス料理のコード(慣例)にはもう縛られたくないんだ! 』
「大皿や大鍋から取り分けてシェアする方法が今、世界的に復活している。パリも例外じゃない。元々食卓というのは大勢の人たちがテーブルを囲み、楽しく語り合いながら集う場所だから。料理人である僕がいつも心していることは、食事が終わったあとにみんながハッピーな気分になってもらえるかどうかだ。同じテーブルに座り、ひとりひとりが違うメニューに舌つづみを打つことは間違いなくレストランという特殊な場所に行くことの醍醐味かもしれない。しかし『ロティスリー桂樹庵』はレストランじゃない。もっとコンビビアル(フレンドリー)な居心地の良い空間、人が集う場所、笑い声が聞こえてくる場所、みんなでシェアする場所だ。だから僕にとってフランスの家庭料理の代表格、キュイジーヌ・ブルジョワーズを振る舞うことは当然の結果だと思っているよ。」
FREDERIC SIMONIN
四季折々、庭に咲き誇る花々や自然の風を感じながらアンティークやフランス製リネンに囲まれた贅沢なひと時。今夏リューアルしたばかりのパリのパラス「ホテル・ド・クリオン」や世界中のラグジュアリーホテルチェーン「ルレー・シャトー」、アラン・デュカス、ゴードン・ラムセー、ミシェル・ロスタンなど著名シェフのテーブルをクリエートする『ドゥニ・プルヴィエ・パリ』が当店のためにオリジナルリネンを制作してくれました。桂樹庵のロゴマークが可愛らしいです。